【私立小学校・中学校】入学希望者獲得につながる給食とは?
私立の給食事情
公立の学校給食は、国から自治体に補助金が出ます。そのため、給食費は自治体と保護者で折半するケースがほとんど。これが公立校の給食費が安い理由です。文部科学省が平成30年度に調査したデータによると、公立小学校・中学校の学校給食実施率は90%以上。
対して、私立小学校・中学校の学校給食に補助金制度はありません。給食費は学校側と保護者が負担しなければなりません。そのため、公立校よりも給食費は高め。お弁当制度を採用している学校が多い傾向にあり、私立小学校の給食実施率は87.2%、私立中学校は51.5%というデータが出ています。
国公私立学校の完全給食実施率
完全給食実施率 | 施設(総数) | 完全給食実施校数 | |
---|---|---|---|
公立小学校 | 99.4% | 18,803校 | 18,696校 |
私立小学校 | 40.1% | 237校 | 95校 |
公立中学校 | 96.1% | 9,145校 | 8,788校 |
私立中学校 | 8.8% | 742校 | 65校 |
学校給食の導入が入学希望者の獲得につながる
近年女性の社会進出が著しく、共働き世帯が増えています。それは公立校・私立校、どちらの家庭にも当てはまることです。
小学校・中学校あわせて9年間、毎日お弁当を作り続けるのはとても大変。愛する我が子に毎日お弁当を持たせたい気持ちは山々でも、実際のところお弁当を作る時間がない家庭も増えています。
栄養バランスが良く、食育にもつながる学校給食は、保護者が私立高校を選ぶポイントのひとつ。これまで教育体制や学校設備等が重視されてきた私立校ですが、時代の流れを踏まえると学校給食が入学希望者を獲得するカギになりそうです。
豪華で美味しそうな私立小学校の給食事例
実際に学校給食やカフェテリアなどを導入している私立小学校の事例を5つ紹介します。
湘南学園小学校
画像引用元:湘南学園公式サイト
(https://www.shogak.ac.jp/80th_cafeteria)
画像引用元:湘南学園公式サイト
(https://www.shogak.ac.jp/80th_cafeteria)
「わが子に食べさせたい食事を提供しよう」この信念から、保護者・卒業生の親がNPO法人を設立。調理・運営・役員・スタッフは保護者をはじめ、湘南学園小学校に今まで携わった元保護者でカフェテリアを運営しています。食材は基本的に国産素材にこだわり、栄養価の高い食事を提供。親からの愛情が伝わるのか、子どもたちが楽しくわいわい給食を楽しんでいる声が響きわたっているそうです。
同志社小学校
画像引用元:同志社小学校公式サイト(https://www.doshisha-ele.ed.jp/schoollife/lunch.php)
給食の食材はグランドプリンスホテル京都で下ごしらえ。なんとホテルのシェフが子ども達の給食を調理しています。豪華なメニューばかりではなく、学校の職員・栄養士と打ち合わせをかさねて毎月の献立を作成。子どもたちの体をつくるために、バランスの良い食事メニューを提供しています。また、アレルギーもちの子がメニュー内容を細かくチェックできるよう使用している食材を明確に提示しているそうです。
帝国塚山学院小学校
画像引用元:帝国塚山学院公式サイト
(https://www.tezukayama.ac.jp/grade_school/lunch/)
画像引用元:帝国塚山学院公式サイト
(https://www.tezukayama.ac.jp/grade_school/lunch/)
「本物の味」を追求している帝国塚山学院小学校。地元のレストランと管理栄養士がタッグを組み、食事が好きになるようなメニューを考案しています。食事内容を充実させるのはもちろん、見た目にもこだわりが。プラスチックではなく陶器のお皿を使ってきれいに盛り付けているそう。食育も大切にしており、月に1回「世界の給食」をテーマとして他の国のメニューを提供しているのも特徴です。
自由学園
画像引用元:自由学園公式サイト
(https://www.jiyu.ac.jp/blog/ga/61370)
画像引用元:自由学園公式サイト
(https://www.jiyu.ac.jp/blog/ga/61370)
創立者の考えから、食事をとても大切にしている都内私立校です。私立の給食は管理栄養士や専門の給食会社と協力して運営するケースが多いですが、自由学園は保護者が給食運営を担当。毎日のメニューづくりや調理を子どもたちの親が手掛けています。1年生から6年生まで、全学年が1つのテーブルを囲んで食事を楽しむのも自由学園ならでは。また、敷地内で野菜・果物・動物を育て、命の大切さを実感できる食育を採用しています。
学習院初等科
画像引用元:学習院初等科公式サイト
(https://www.gakushuin.ac.jp/prim/katei/life/)
画像引用元:学習院初等科公式サイト
(https://www.gakushuin.ac.jp/prim/katei/life/)
学習院初等科では、給食当番だけでなく、子どもたち全員が白い給食エプロンを着用して食事をするスタイルです。昔の学校給食は、あらかじめ配膳された量を残さずに食べるよう強要する方針が多かったのですが、学習院初等科では事前に教師が量を減らすスタイルを採用しています。食べられる量を、子どもたち自身が決められるのです。そのほか、食事のマナー教育にも力を入れています。
私立中学校の給食(学食・カフェテリア)事例
実際に学校給食やカフェテリアなどを導入している私立中学校の事例を5つ紹介します。
二松学舎大学付属柏中学校
画像引用元:二松学舎大学付属柏中学校公式Facebook(https://www.facebook.com/nisho.kashiwa.j/posts/972735889550280/)
2018年4月にリニューアルした二松学舎大学付属柏中学校の学生食堂です。1号館地下にあり、席数320席となっています。「木の温もりを感じる、明るく開放的な空間」がコンセプト。とても居心地がよさそうな空間に仕上がっており、ランチタイムだけでなく友達との会話が弾みそうです。
また、定食だけでなく1個からバラ売りをしているため、そんなに量を食べられない子どもでも無理をせず利用できるできるでしょう。
画像引用元:二松学舎公式サイト(https://www.nishogakusha-kashiwa.ed.jp/introduction/campus/)
食べ盛りの中学生がお腹いっぱい満足できるよう、メニューやバリエーションを豊富に用意。メニューは、子どもたちが大好きな唐揚げ・ラーメン・丼ぶりなど、食べ盛りの学生が満足できるボリュームメニューが多め。勉強や放課後の部活動にも力が入りそうです。ラーメン・そばなどの麺類は、出汁の種類から選べます。
聖学院中学校
画像引用元:聖学院中学校公式サイト(https://www.seig-boys.org/news/27641
)
全240席の食堂です。中学生と高校生が合同で利用しています。毎日50食以上の「100円メニュー」があるのが特徴。これまでには100円カレーや100円ミニラーメン、100円丼などがあったそうです。お腹がすぐに減ってしまう男子学生にとって、100円で一品メニューを追加できるのはかなり嬉しいポイントではないでしょうか。
ただ食事をするだけでなく、友達や先輩・後輩とのコミュニケーションの場として団らんできるのも食堂の魅力です。生徒たちが思わず立ち寄ってしまう、温かみのある空間づくりにも力を入れているのでしょう。
また、お弁当の販売もしているため、ランチタイムの選択肢が柔軟な学校だという印象を受けました。
画像引用元:聖学院公式サイト(https://www.seig-boys.org/news/33551)
聖学院中学ではカフェテリア内は、カフェテリアのメニューだけでなく、お弁当を持ち込んで食べてもOK。カフェテリア派の子もお弁当派の子も、分け隔てなく友達と食事ができるシステムです。男子校ならではの活気溢れる空間で、いつも賑やかなんだとか。空き時間にカフェテリアで勉強している学生もいます。
城北中学校
画像引用元:朝日新聞EduA(https://edua.asahi.com/article/12329755)
ボリューミーな食事をコンセプトに豊富なメニューを展開している城北中学校の学食。とくに、お肉がメインメニューの「城北ランチ」は低価格でお腹がいっぱいになる人気メニューなんだとか。特盛りまで対応してくれるので、運動部の男子もお腹いっぱい美味しい食事を食べられます。ランチタイムだけでなく、放課後も1時間だけ開放し、軽く食事がとれる環境をつくっているそうです。
画像引用元:朝日新聞EduA(https://edua.asahi.com/article/12329755)
学生のお腹とお財布に優しい満足度の高いメニューを展開しています。給食を食べる子どもたちはもちろん、保護者の方にとっても嬉しいのではないでしょうか?
城北中学校ではお肉をメインにしつつ、副菜や付け合わせでバランスを取れるメニューを展開。子ども達の心と体を一緒に満たす「城北ランチ」が人気なのも納得です。月1回のリクエストメニューは、生徒たちの学校に行く楽しみのひとつとなっているそうです。勉強に行き詰まったときでも、友達と時間を過ごす楽しいランチタイムのために今日も1日頑張ろう!というモチベーションにつながりそうですね。
聖徳大学付属女子中学校
画像引用元:聖徳大学付属女子中学校公式サイト(https://www.matsudo-seitoku.ed.jp/feature/etiquette_modify/)
学年やクラスごとではなく、中学・高校の全生徒が集まって給食をとる会食スタイルを採用。配膳や食事の盛り付けも、子どもたちが全員で協力して動いています。基本的に食べ残しをしないよう、食べられる分だけを盛り付ける方針。一汁二菜をベースに管理栄養士さんがメニューを考案しています。また、陶器のお皿を使い、見栄えの良さにもこだわっているそうです。
画像引用元:教育研究所ARCS(http://arcs-edu.com/topic/seitoku/4)
栄養バランスの良い一汁二菜をベースにした献立です。写真を見るとやや少なめの量に見えますが、おかわりOKとのこと。
聖徳大学付属女子中学校は、食事のマナーに注力しているのが特徴。女子中学校ならでは食育カリキュラムかもしれません。
出されたものを残さず無理やり食べるのではなく、食べられる量を自分で判断して盛り付け、残さず食べる方針もまた、食育としても良い取り組みだと感じました。食事を楽しみながら、日本人が重じている食事のマナーや感謝の気持ちを大切に育てられそうです。
また、中学・高校一貫して同じ環境で食事ができるので、年代を超えてコミュニケーションをとりながら楽しいランチタイムを過ごせそうですね。
文京学院大学女子中学校
画像引用元:教育研究所ARCS(http://gakushoku2016.hatenablog.com/entry/2017/12/08/135050)
1週間ごとに利用する学年を入れ換えている京学院大学女子中学校のカフェテリア。家庭科の授業と連携しているのが特徴で、時には生徒のアイディアを取り入れた特別メニューを作成しています。
中学生は、ダイエットや見た目を気にし始める多感な時期です。文京学院大学女子中学校は校内に厨房があり、食事ができ上がるにつれて美味しそうな香りが漂い、学生達の食欲をそそること間違いありません。
子どもたちが野菜の育成やカフェテリアの配膳を通して、食べることの喜びを感じられる体制を整えている点も魅力的。カフェテリアは外の光が差し込む開放的な空間で、ランチタイムだけでなく放課後にも多くの生徒が立ち寄る憩いの場になっているそうです。
画像引用元:文京学院大学女子中学校公式サイト(http://www.hs.bgu.ac.jp/about/page/consultation.html)
給食は温かいものを提供できるように、学校内にある厨房で調理。中学1年生は学年全員、カフェテリアで給食を食べられます。家庭ではなかなか作るのが難しい凝った料理や、日本の郷土料理を献立に入れ、バリエーションに富んだメニューを展開。毎日おかわりの列ができるほど生徒たちから人気だそうです。
私立の給食に関する口コミ
- 大学付属中学の場合、敷地内に高校・大学もあるので、給食だけでなく学食も使えます。食事の選択肢が広がるのはいいなぁと思いました。購買や大学生協を使って軽食(パンやおにぎりなど)もあるため、使いやすいみたいですね。
- 学食があるからといって、毎日学食で給食を食べていません。基本的にはお弁当を持たせるようにしています。今日だけはどうしてもお弁当をつくる時間がない…って時にカフェテリアがあるからありがたいですね。子どもも、たまのイベント感覚でカフェテリアの利用を楽しみにしているようです。
- 息子を中高一貫校に通わせていました。中学生の時から食堂やカフェテリアを利用している生徒さんは多かったみたいです。クラスに馴染めるか、子どもの性格にもよるかもしれませんが、教室でお弁当を食べない子は意外と多いのかも。私の息子は週3回くらいの頻度で食堂を使っていました。
- 子どものころ両親が共働きだったので、毎日ではありませんが頻繁に学食やカフェテリアを利用していました。食堂や売店がある学校って本当助かります。週3回はお弁当を持たされていましたが、それ以外の日は学食やカフェテリアでした。
- 食堂のおばちゃんが優しくて好きでした。お昼休みだけでなく、放課後も食堂が開いていたので、友達とお喋りしながら軽食を食べていましたね。同級生だけでなく、先輩・後輩・先生など、いろんな人との思い出がある場所です。
- 大学併設の学校なんですが、学食だけじゃなくて校内にサブウェイがあります!野菜をたくさん食べられるから助かってますね。栄養バランスも取れるのがありがたい!
- 中学のとき、私は基本的に教室で食事をとるお弁当派でした。カフェテリアには、朝のうちにメニューを注文すると昼に教室まで届けてくれるデリバリースタイルがあって、それがすっごく気になっていました。
- 息子が通っている学食の人気メニューはラーメン!食べ盛りなので、定食にプラスしてラーメンを食べているみたいです。部活で体を動かす前にラーメンを食べてから行くこともあるみたい。
私立校におすすめの委託給食会社3選
献立作成から給食調理までまるっと委託できるおすすめの会社を3社ご紹介します。
LEOC
私立小学校・中学校はもちろん、保育園の給食から企業給食まで、全国2200か所以上の幅広い施設に給食を提供している会社です。メニューの開発は、有名ホテルや飲食店で活躍していた料理人が担当。食事の楽しさ・わくわくを伝える見た目・味を追求して、彩り豊かな美味しい給食を提供しています。
LEOCは現地調理にこだわって食事を提供しているため、できたての温かい料理を子どもたちに食べさせてあげられるのがポイント。料理人たちは日々美味しい料理を考案したり、スキル向上のために講習会に参加したりしているそうです。
富士フードサービス
山梨県に本社を置く給食会社です。給食の豪華さではなく、味とおいしさを追求し、笑顔を届けるメニューづくりにこだわっています。給食はセントラルキッチンで作ったものを各学校に届けるスタイル。すれちがう子どもたちと積極的にコミュニケーションをとり、ニーズを反映したメニューを提供しています。給食をおいしく食べる大切さはもちろん、食育にも注力。栄養・食べ物の素材に関する知識に加え、食事のマナーや感謝の気持ちを伝える大切さまで教えてくれる給食会社です。
有限会社太陽食品
新潟県上越市内で学校給食を提供している給食会社です。小学校・中学校の給食だけでなく、幼稚園・保育園・社員食堂にもサービスを展開しています。見た目・食べやすさにこだわり、子どもたちが思わず笑顔になるような給食づくりを目指している会社です。
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学校給食における外部委託状況
学校給食を実施するにあたり、すべての業務を学校関係者だけで行うのは難しいところです。小中学校がどのような業務を専門の会社に委託しているのか文部科学省が調査したデータがあるのでご紹介します。
学校給食の業務委託比率(公立小学校・中学校)
委託業務 | 委託比率 |
---|---|
調理 | 50.6% |
運搬 | 46.4% |
物資購入・管理 | 10.8% |
食器洗浄 | 49.8% |
ボイラー管理 | 24.8% |
その他 | 23.7% |
参考:文部科学省:平成30年度学校給食実施状況等の調査結果【PDF】
データによると、調理・運搬・食器洗浄などの作業を委託給食会社に依頼している小学校・中学校が多いようです。これから学校給食を取り入れていこうと考えている方は、「調理・運搬・食器洗浄」を委託できる会社を探してみると良いでしょう。
病院・高齢者施設・
保育園・会社・寮で給食会社の導入を検討している方へ
数多くある給食会社の中から問合せする会社を絞り込むのは大変なことです。
そこで、Googleで「給食会社」と検索した際に上位表示する137社を調査し、病院・老人ホーム・保育園・社食・寮といった幅広い施設の給食に対応していて、公式HPで導入事例を公開している給食会社を紹介(2022年8月30調査時点)。
給食会社に委託したい、新たに乗りかえたいと考えている施設は、自社のこだわりにあった給食会社を探してみましょう。
当サイトでは、参考になる事例が豊富で導入後のイメージが沸きやすい給食会社を“おすすめ”としています。
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工夫や仕組みが充実
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施設の評判を落とさない
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- ミシュラン掲載の外食事業を運営(2019年時点)
- 熟練の料理人が
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馬渕商事
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1日約130万食の給食を提供 - アスリートやホテルにも
サービスを展開
給食会社を比較する際、差がつくポイントである「味」「対応力」「コスト」は、実際に問い合わせてからでないとわかりません。
そのため、複数社に問い合わせた後、コンペティションで給食を試食し、導入を検討するのが一般的。まずは給食会社に問い合わせて、給食の味やクオリティをチェックしましょう。